その「バズ」はなんのためなのか。南三陸で開催されたクリエイターたちが集う大人の修学旅行 #BuzzCamp

被災地域をめぐり、クリエイターの講座を受け、アイデアソンをする。南三陸で開催された豪華プログラム「BuzzCamp」に参加してきた。

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震災から少し時間が経った。これまでと比べて、被災地への支援も減ったと聞く。

時間が経過したことで、また違った形の支援ができるのではないか、そんな考えがふいに頭をよぎる。

「BuzzCamp」に誘ってもらったのは、ちょうどそんな時期だった。

しおたんこと、塩谷舞さんが運営するメディア「milieu(ミリュー)」に、ある記事が掲載された。

この記事は4万PVを超え、大きな反響を呼んだ。さらに何かできることはないか、そんな話し合いから生まれたのが今回の企画だった。

メディアとして何かを応援する際にできることは記事を出すだけではない。企画をすることで、また違ったアプローチも可能になる。

色々とヒントがもらえそうだ、そう考えて僕は参加を決めた。

「BuzzCamp」に集ったクリエイターたち

40人を超える参加者が「BuzzCamp」に参加。いずれも、インターネットで情報発信を行い、話題になったことがある人たちだ。(参加者リストはこちら

事前にFacebookグループで交流を行って準備をしつつ、当日からはTwitterでハッシュタグ「#BuzzCamp」を付けた投稿も盛んに行われた。

当日は、仙台駅に集合し、バスで南三陸へ(僕らはレンタカーを借りたのでここは別行動)。

お昼頃には今回の合宿の舞台となる「南三陸ホテル観洋」に到着。お昼ごはんに名物のウニ丼を食べ、タイムラインにはウニの写真が溢れた。

「語り部バス」で南三陸をめぐる

その後、参加者は「語り部バス」に乗車。語り部バスは、震災を風化させない為にと、南三陸ホテル観洋のスタッフが町をバスで案内する活動だ。

スタッフの方に当時の様子などを教えてもらいながら、被害のあった場所を順番に巡っていった。

震災からは時間が経過している。だが、町が元通りになるにはまだまだ時間がかかる。実際にバスでめぐることで、そのことが肌で感じられた。

発信することを生業にする人間として、どんなことができるのか。そんな問いかけを頭の中で繰り返しながら、案内をしてもらっていった。

震災当日の様子を改めて情報発信することは、実際に被害にあった人たちにとって見るのも辛いことだ。実際に、ハッシュタグにはそうした意見も寄せられた。

忘れないように、後に残せるように発信をしたいという気持ちと、忘れようとしている人たちに辛い気持ちを思い起こさせてしまうことは本意ではない気持ち。両方がわき上がる。誰かが辛い思いをした、しているテーマで発信をする際は、こうしたことが常に課題になる。

「語り部バス」に乗り、参加者がそれぞれの思いを胸に抱きながら、「BuzzCamp」は次のプログラムへと進んだ。

情報発信で地域の課題の一部を解決できないか

「震災を経て、情報が重要だということを痛感しました。情報が絶たれたことで不安が高まったのです。

今、地域に必要なことは情報発信なのではないか、そう考えたことから何かできないかと塩谷さんに相談しました。

今回、『BuzzCamp』の取り組みを通じて、地域に直接足を運んでもらうことで、地域の悩ましいことが解決するきっかけになるのではないか、そう考えています」

次のプログラムは、こんな女将さんの言葉から始まった。震災当時のホテルの様子、どんなことが起こり、何を考えながら対応していったのか。女将さんの口から語られた。

南三陸ホテル観洋のスタッフの人たちからは、結びつきの強さを感じた。大変な時期を共に乗り越えてきた経験が、つながりを強くしているのかもしれない。

女将さんからの話の後は、しおたんがなぜ南三陸の記事を書くことになったかについて語った。

その「バズ」はなんのための「バズ」か

地域の現状に触れた後は、「バズ」をテーマにした勉強会が実施された。講座の内容はハッシュタグでもまとまっているので、詳しくはそちらを見てもらったほうがいいかもしれない。ここでは、いくつかのツイートを紹介しながら、内容を伝えようと思う。

登壇したどの講師も、「なんのために話題にするのか」を繰り返し語っていた。

「南三陸を盛り上げる企画」をテーマにアイデアソン

地域の現状を知り、「バズ」についてのインプットを終えた後は、アイデアソンの時間に。集まったクリエイターたちが、「どうしたら南三陸まで人が来てくれるのか?」をテーマに、アイデアを出し合った。30分という短い時間ではあるものの、どのグループもアイデアをまとめてきていた。

クリエイターと一言でまとめても、その関心範囲や得意領域は様々だ。「BuzzCamp」は参加者のバックボーンが多様であったことがアイデアの多様性に寄与した。同じ地域課題が与えられたとしても、クリエイターによって発想が変わる。正解はひとつではないと考えて、課題に向き合っていくべきなのだろう。

今回、発表されたアイデアからどれだけが実行されるものになるかはわからない。だが、今回の取り組み自体の可能性は広い。40人を超えるクリエイターやインフルエンサーが集まり、情報発信を行い、その地域の課題について頭をひねったのだから。

このアプローチは、特定の地域しかできないものではない。どこでも可能なアプローチのはずだ。女将としおたんのように、地域の人とクリエイターの間に強いつながりさえあれば。

こうした活動は、クリエイターたちにとってもつながりを作る良い機会になっていたようだ。

しおたんの奮闘によって実現した今回の取り組みは、様々な可能性を示してくれた。

個人的には、今回のプログラムの大きなメッセージは「なんのためにバズらせるのか?」に集約されていたように思う。これはクリエイター側もそうだし、地域側にとってもそうだ。

とにかく話題になればいいわけではない。なんのために、どんな話題にされることを狙うのか。情報があふれる時代になってきてるからこそ、より一層発信の根本を見つめ直していかなければならないのだろう。

BuzzCampのことを振り返りながら、帰りの新幹線でそんなことを考えていた。

BuzzCamp参加者のみなさん、おつかれさまでした。

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モリ ジュンヤ

『UNLEASH』編集長

inquire Inc. CEO。『greenz.jp』編集部にて編集、執筆、コミュニティマネジメントを担当し、副編集長を経て独立。フリーの編集者として『THE BRIDGE』『マチノコト』『soar』等メディアブランドの立ち上げに携わる。2015年にinquire Incを創業、企業や団体のメディアブランド構築、コンテンツ戦略の立案、インナーコミュニケーションの支援、情報発信の内製化支援等を行う。NPO法人soar副代表、NPO法人マチノコト理事、sentenceオーガナイザー。

『UNLEASH(アンリーシュ)』は、ビジネス、カルチャー、デザイン、テクノロジーの話題を発信するオンラインメディアです。

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