Kickstarterが“月額課金“でクリエイターを支援できるサービス「Drip」をリリース

音楽ビジネス誌『gig』より転載)

クラウドファンディングサービスKickstarterが、月額課金でクリエイターを支援できるサービス「Drip」を11月15日にリリースした。

Kickstarterで立ち上がるプロジェクトの欠点として、ユーザーからクリエイターへの支援が一回限りという点が存在していた。Dripを使えば、ユーザーは支援したいクリエイターに月々一定の額を支払いながら継続的なサポートが可能になる。その対価としてユーザーは様々なコンテンツを購読者限定で受け取れる。

月間アクティブユーザーが100万人を超えるサブスクリプション型サービス「Patreon」が非常に近いコンセプトで運営されており、競合と言えるだろう。

Dripがユニークなのは、1400万ユーザーを抱えるKickstarterのサービスとシームレスにつながるという点だ。既にクリエイターと彼らをサポートしたいユーザーがいるプラットフォームの新機能という立ち位置なので、クリエイターもユーザーも導入の敷居が低い。Dripは今後Kickstarterに統合されるという

閉鎖の危機を救った買収を経て、再ローンチ

厳密に言えば、DripはKickstarterが新しく立ち上げたサービスではない。同サービスは2016年3月にKickstarterにより買収されており、形を変えての再スタートとなった。

買収以前のDripは、アーティストや音楽レーベルに対してユーザーが月額課金で彼らの作品などを購読できるプラットフォームとして運営されていた。今回の再リリースで、音楽以外のクリエイターにもその門戸を広げたようだ。

DripはKickstarter初の買収案件で、閉鎖の危機に陥っていたDripを間一髪で救う形での買収だった。

ユーザーとクリエイターの結びつきをより強固なものにする

2017年9月に日本に上陸したKickstarterだが、Dripの再ローンチの他にも、「Commissions」というプログラムをスタートさせている。同プログラムは、プロジェクトの支援者が望むリワードをクリエイターが提供するという取り組みだ。例えば、クリエイターが画家の場合は支援者の似顔絵を描くといったリワードを提供するかもしれない。

これらの動きから、Kickstarterはユーザーがクリエイターとより強く結びつくようにサービスを発展させていくことが予想される。

Dripの日本展開は今のところ発表されていなが、日本にはnoteを筆頭に月額課金でクリエイターをサポートするサービスが複数存在している。クリエイターにとって自身の作品をマネタイズする手段が増えるのは望ましいことだが、もしDripが日本に上陸した場合、どのように住み分けが行われていくのだろうか。

img : Drip

音楽ビジネス誌『gig』より転載)

岡田 弘太郎

1994年生まれの編集者 / DJ。慶應義塾大学でデザイン思考/サービスデザインを専攻。在学時に『greenz.jp』や『SENSORS』で執筆、複数のウェブメディアで編集を経験し、現在は編集デザインファーム「inquire」に所属。ミレニアル世代向けのビジネスメディア『AMP』や『Unleash』の編集に携わる。音楽ビジネス誌『gig』編集長。関心領域はビジネス、音楽、デザイン、テクノロジーなどを横断的に。Twitter : @ktrokd

『UNLEASH(アンリーシュ)』は、ビジネス、カルチャー、デザイン、テクノロジーの話題を発信するオンラインメディアです。