食料品から歯ブラシや本まで。ホームレスを「24時間」支援する無料自販機が英国に登場。

イギリスの慈善団体 Action Hunger(アクション・ハンガー)が、ノッティンガムに世界初の自動販売機を設置した。ホームレスの人々へ、食べ物や生活必需品を配布するためのシステムである。ホームレス支援のかたちは日々変化しつつある。

米カリフォルニア州ロサンゼルスでは、5万7,794人もの人々が路上生活を余儀なくされている。AFPBB Newsによれば、ホームレス人口は増加傾向にあるという

住宅の欠如や低賃金などの社会課題がいくつも積み重なり、ホームレス事情は複雑化している。いまや発展途上国だけの問題ではなくなっているのだ。そんなホームレスに対するイギリスの慈善団体「Action Hunger(アクション・ハンガー)は」この実態を対して、新たな取り組みをスタートさせた。

フルーツから靴下まで。1日3品無料の自販機

Action Hungerが始めたのは、ホームレス支援のための自動販売機だ。地元のホームレス支援施設と連携し、イギリス中部ノッティンガムに設置された。自販機では、社会的支援を必要とするホームレスの人々に対して、食べ物や生活必需品を配布している。ホームレスはカードをかざすことで、中にある水や果物、サンドウィッチなどの食料品、衣料品などを無償で受け取ることができる。24時間アクセスが可能だ。

食料品や衣類品だけではなく、歯ブラシや抗菌ローション、本まで揃っている。利用者が自販機に依存しないよう、1日3品までと決められており、手続きを済ませた対象者以外は利用できないシステムだ。

食料品は、廃棄削減を目指す地元のスーパーやフードバンクから提供されており、フードロスという社会課題の解決にもアプローチしている。

広がる支援の可能性

これまで支援団体やボランティアによる物資の供給は、日中行われることがほとんどだった。そのため、日中は仕事をしている路上生活者は物資の供給に参加できないという課題が存在した。だが、24時間アクセス可能の自動販売機があれば、「欲しいものを欲しいときに手に入れる」ことができる。

「Action Hunger」では今後、都市部を中心にイギリスのロンドン、マンチェスター、バッキンガム、フランスのパリ、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス、シアトルへの普及を目指している。

ホームレス減少への長期的な解決策が必要とされている今、アイデア次第で、支援の可能性は広がっている。

澤村成美
澤村成美

二十歳。記者を目指し、メディア学科に在学中。興味分野は、人権・ジェンダー・まちづくり。趣味は映画鑑賞と読書、散歩。