耳で恋に落ちる。顔写真ではなく、相手の“声”で選ぶマッチングアプリが登場

男女の出会いをサポートするマッチングアプリに、期待の新星が現れた。今年の3月にリリースされた「Waving」は、気になる異性を“顔”ではなく“声”でピックする、新感覚のマッチングサービスだ。

耳で恋をする。

そんな言葉を聞いたことがあった。顔やスタイル、ファッションのような見た目の類ではなく、相手の“声”に惹かれ恋に落ちる。「一目惚れ」ならぬ「一聞惚れ」と言えばいいだろうか。

声のトーン、話すスピード、語尾の癖。会ったことがない人でも、声を聞けば人柄が見えてくることがある。相手のことを好きかどうか。“声”は、答えを導き出すための重要な判断材料の一つと言えるだろう。

とはいえ、“声”を判断基準に据えたデートアプリが登場するとは夢にも思わなかった。アメリカで誕生した「Waving」は、気になる相手を“顔写真”ではなく“声”で判断する新感覚のマッチングサービスだ。

従来のデートアプリ、たとえば「Tinder」や「Pairs」などは、自分好みのパートナーを見つける際に相手のプロフィール画像をもとに判断をするのが一般的であった。

スマホに写し出された人物の顔写真が自分の好みであれば「右にスワイプ」し、好みに合わない場合は「左にスワイプ」をする。同操作を繰り返すごとに、ユーザーの顔写真が次々と切り替わる仕組みだ。

「Waving」では、相手の顔写真が表示される代わりに、録音されたボイスメッセージが流れるようになっている。ユーザーは相手の声を聞き、自分の好みかどうかを判断するのだ。互いの“声”に惹かれ合ったユーザーは、メッセージのやり取りができる。

同アプリでは、プロフィールに顔写真と文章を載せることができない。出身地や経歴、趣味などすべて自分の声で説明する必要がある。“声”がすべての鍵を握ると言っても過言ではない。

「Waving」を開発したZiph0n氏は、過去にデートアプリを使っていた経験があり、そのなかで違和感を覚えたという。

自分が使っていたマッチングアプリは、すべて似た者同士。ありふれたコンセプトをもとに作られ、偽プロフィールで溢れかえっていた。現代のデートアプリ市場を見ていても、進化する気配が全くない。だから、自分の手でユニークかつ革新的なマッチングサービスを開発しようと決意したのだ。

「Waving」のように、従来のものとは一味違うデートアプリは他にもいくつかある。

たとえば「The League」は、ハイクラスな人に特化したデートアプリだ。ユーザーの約30%は上級学位を持っており、18%は起業家や会社の重役が占めているという。Facebookなどのデータからユーザーの仕事とプライベートを分析し、相性の良さそうな人を紹介するシステムも信頼性が高い。

また「Dapper」というアプリは、マッチングが成立してもチャットに繋がらない。その代わり、マッチングをしたカップルにはレストランで実際に会う手はずを整えてくれるという。提携のレストランがあり、1回のデートにつき男性は19ドル、女性が9ドルを支払う仕組みだ。ユーザー同士が会えるまでサポートしてくれるデートアプリは珍しく、ユーザーの満足度も高い。

自分好みの人と気軽に知り合える現代では、デートアプリにさらなる進化が求められているようだ。耳から始まる、劇的な恋愛。一度は体験してみたい。

中川 明日香
中川 明日香

ライター。1994年生まれ。静岡大学で英米文学を専攻。学生時代に国際交流事業に携わるなかで、スロバキアに興味を持ち、長期留学を決意。現地の大学に通いながら、日本語講師のアルバイトで貯めたお金でヨーロッパ20カ国を周遊。その体験記を旅行メディア「Reisen」で執筆し始めたことをきっかけにWEBメディアの魅力を実感。帰国後「IDENTITY名古屋」でライターインターンを始め、現在に至る。

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