地域の関係人口の増加と可視化を目指す。カヤックLivingが移住スカウトサービス「SMOUT」をリリース

地域に関心のある人と、人に来てほしい地域とをマッチングするサービスが登場した。

引っ越しをして、新しい街に移り住むと、自分も新しくなったような気持ちになる。住む場所が自分に与える影響は大きい。

都市から地域へと移り住むことを指して「移住」と表現される。大きく環境が変わる移住は、人に多大な影響をもたらす。

その影響の大きさもあり、地域は移住者を求めているが、多くの人はなかなか移住の決断はできない。人生を変えるかもしれない大きな決断。すぐに決められるものではない。

まず、その地域に足を運び、関係を築く。その積み重ねを通じて、やがて人は移り住んでいく。この人と地域の結びつきを促そうとするサービスが登場した。

地域からスカウトが届くサービス

「SuMiKa」を運営する株式会社カヤックLivingが、新たに2018年6月4日より移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」の提供を開始した。

SMOUTは地域で活動する人とマッチングすることで、地域に行ったり関わったり、さらには移住のきっかけの創出するサービスだ。地域に移住したい人や地域と関係をつくりたい人が、自分の興味のあることや得意分野といったプロフィールを登録しておくと、地域からスカウトが届く。

地域側はどんな活動をしているのか、どんな人に来てもらいたいのかの情報をプロジェクトという形で掲載する。こちらは筆者が出身地で取り組んでいる活動を掲載したページだ。

ユーザーはプロジェクトのページを見ながら、「興味ある」を押す。地域は、自分たちの活動に関心を持ってくれた人がいれば、スカウトを送ることができる。ユーザーは興味関心や職業を登録しており、参考にしながらスカウトを送る人を選ぶ。

まず、地域と関わることから

SMOUTはいきなり移住ではなく、まずはプロジェクトに参加してみるという前段のアクションを提示している。プロジェクトへの参加を通じて、地域に足を運び、コミュニティの人々と関わる。移住という選択肢はその先にある。

移住する人が地域を決める際、ハードルでもあり、決め手にもなるのが現地の人とのつながりだ。コミュニティに入れるのかが気になって躊躇し、つながりが生まれれば移住しよう、と考える。スカウトされ、プロジェクトに参加することを通じてつながりが生まれれば、その後は自然と進む。

また、SMOUTのユニークな点は、「ネット関係人口」という形で、インターネット上で各地域がどの程度注目されているのかの視覚化と数値化に取り組もうとしているところだ。「どこか良い地域はないかな」と気になる人がいたとしても、どんな地域があるのかは情報はインターネット上に少ないため、わかりにくい。

インターネット上の注目ではあるものの、スコア化されれば人々が地域を選ぶ際の参考にもなり、また地域は情報の発信に力を入れるようになると考えられる。数値化されることで、ある種のゲーム要素も生まれ、スコアを伸ばすという目的に向けて、地域の団結も起こるかもしれない。スコア化に関してはリリース後の様子を見てみたいところだ。

職業によっては地域に暮らしながらでも仕事がしやすくなった。この先、暮らす場所を選ぶ自由はより増していくだろう。「SMOUT」が暮らす場所を自由に選ぼうとする人の後押しになってくれることに期待したい。

モリ ジュンヤ
モリ ジュンヤ

『UNLEASH』編集長

株式会社インクワイア代表取締役 / UNLEASH編集長。1987年岐阜県生まれ。2010年より『greenz.jp』にて編集を務める。フリーランスとして独立後、『THE BRIDGE』『マチノコト』などの立ち上げを経験。2015年にinquireを創業し、2016年に書く人が集まるコミュニティ「sentence」を立ち上げ、2017年に『UNLEASH』を創刊。メディアとコミュニティを通じて、小さな経済圏たちを活性化し、より良い社会をつくることが目標。NPO法人soar副代表 / IDENTITY共同創業者 / FastGrow CCO など。