フェアトレードシャツで追求する“カッコ良さ” 。イマドキのアパレルブランドは作り手にもやさしい社会を目指す

店頭に並んだ洋服から一着を選ぶとき、何を基準に選んでいるだろうか。「デザインが良い」や「価格が安い」、「着心地がいい」「好きなブランドだから」など人によってさまざまだろう。

オンライン発のカスタムオーダーファッションレーベル「FABRIC TOKYO」が提案するのは“ココロが気持ちいい”という基準だ。

同社は2018年5月、フェアトレードコットンを使用したオーダーシャツの販売を発表。リリースには「フェアトレードのシャツを着ることで、ココロが気持ちいい生き方を提案できるのではと思っています」と綴られている。国際認証されたコットンを用いたオーダーシャツの販売は日本で初めてだという。

D2Cブランドとフェアトレードの共通点

FABRIC TOKYOは「だれもが自分らしいライフスタイルを自由にデザインできるオープンな社会をつくる」を理念に掲げるD2C(Direct to Consumer)のアパレルブランド。

D2Cとは広告費や卸業者を介さず、消費者に直接商品を販売するビジネスモデルを指す。生産から発送まですべて自社で行なうため、原価以外にかかるコストを削減できる。消費者にはより高品質な商品を同額もしくはそれ以下の価格で届けられ、生産者にもより多くの利益を還元できる仕組みだ。

消費者と生産者が恩恵を受けられるビジネスモデルを通し、FABRIC TOKYOは「アパレル業界から持続可能な社会をつくる」ことを目指してきた。そのサステナビリティにこだわる姿勢は、フェアトレードの目的である「公正な貿易の実現によって世界から貧困を減らし、生産者が持続可能な生活を実現し自ら未来を切り開いていける世界」と重なる。同社はこのフェアトレードの想いに強く共感し、オーダーシャツの製造に至ったという。

妥協せずに良いものをつくる姿勢

製造の過程においては社会的意義だけではなく、“ものづくりにこだわるクラフトマンシップ”を追求したという。シャツの生地は兵庫県の播州地区の職人によって作られたもので、織機には「ションヘル」と呼ばれる昔ながらの織機が用いられている。ションヘルは、最新の織機と比較して、生地を織るために多くの時間がかかるが、生地にストレスをかけず織り上げられ、独特の風合いが生まれるそうだ。

現在ウェブサイトでは3種類のシャツが販売されている。6月28日の販売開始から10日でホワイトツイルシャツはすでに入荷待ちとなった。「作り手にも貢献する、製品は妥協せずさらにいいものを」という考え方が、顧客にも確実に伝わっている証明だろう。

服の“カッコ良さ”とは何か

FABRIC TOKYOは企画段階から「本当のカッコ良さとは何か」を問い続けたという。出来上がったシャツからは、洗練されたデザインだけでなく、生産者の手から消費者に届くまでのストーリー、そのブランドの社会に対する眼差し。それらすべてが“カッコ良さ”を構成する要素だという彼らの意思が感じられる。

FABRIC TOKYOのように新たな“カッコ良さ”を体現するブランドが増えていくと、私たちが洋服を選ぶ基準もアップデートされていくのかもしれない。

あなたにとっての服の“カッコ良さ”は何だろうか?

Mao Kitakawa
Mao Kitakawa

コンサルタントとして働くかたわら、IT・スタートアップの媒体などでニュース記事やセッション記事など幅広く執筆。