飲食店の無断キャンセルを業界からなくすために、食のスタートアップたちが立ち上がる

約束があり、時間を空けて席を準備し、料理を作って待っていた。けれど、待ち人は来ない。悲しさや怒りが入り混じった感情が生まれそうな瞬間だ。

個人なら感情が揺さぶられるだけですむけれど、それを仕事にしている飲食店はそれだけでは済まない。「No show」と呼ばれる飲食店における無断キャンセルの被害額は国内で推計年間2,000億円にも上ると言われている。

No showは飲食店の生産性向上を大きく阻害し、一度のNo showが飲食店を閉店に追い込むこともある。こうした状況を変えていかなくては、飲食店の負担が大きくなってしまう。

「No show」を防止する動き

経産省は、「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」を発表。経済産業省は、サービス産業の生産性向上の観点から関係省庁と連携し、一事業者だけでは解決できない業界全体に渡る課題の解決を支援することを明らかにした

こうした公的な動きに加えて、スタートアップたちも立ち上がった。レストラン・飲食店向け予約管理システム「トレタ」を運営するトレタは、favy、ブライトテーブル、ポケットコンシェルジュ、USEN Mediaら飲食事業者向けサービスの有志企業と「No show」問題の解決を目的に、「無断キャンセル対策推進協議会」を設立した

名前を連ねているのは、予約管理や予約代行、マーケティング支援などを行っている企業たちだ、より飲食店を支援していくために、長らく課題だとされてきた問題に連帯して取り組むという。

テクノロジーを活用したアプローチも 

中でも、トレタは「トレテル」というアプリを活用した「No Show」に対する動きも始める。

トレテルは、飲食店が電話予約を受ける際、予約者に対しSMSを通して予約情報とキャンセルポリシーを正確に提示できる無料iOSアプリ。電話予約で発生しやすい言い間違いや聞き間違いによる予約トラブル防止や、口頭で伝えきれないキャンセルポリシー内容の明示を行う。

万が一、無断キャンセルが発生した場合も、トレテルのユーザーであれば電話相談サービス「トレタ飲食店相談サポート」を通して無断キャンセル問題に精通した専門家への相談が可能となっているという。

立場の異なる組織(行政、企業、NPO、財団、有志団体など)が、組織の壁を越えてお互いの強みを出し合い社会的課題の解決を目指すアプローチのことを「コレクティブ・インパクト」と言う。

業界に蔓延する課題を解決していくためには、複数のスタートアップや官民が連携していくことも必要だ。

モリ ジュンヤ
モリ ジュンヤ

『UNLEASH』編集長

株式会社インクワイア代表取締役 / UNLEASH編集長。1987年岐阜県生まれ。2010年より『greenz.jp』にて編集を務める。フリーランスとして独立後、『THE BRIDGE』『マチノコト』などの立ち上げを経験。2015年にinquireを創業し、2016年に書く人が集まるコミュニティ「sentence」を立ち上げ、2017年に『UNLEASH』を創刊。メディアとコミュニティを通じて、小さな経済圏たちを活性化し、より良い社会をつくることが目標。NPO法人soar副代表 / IDENTITY共同創業者 / FastGrow CCO など。

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