タグ: 書評

わたしたちが「     」を読むために──「なぜ詩を読めるか」を問う現代詩アンソロジー『認識の積み木』

ぼくは詩が読めない。 厳密にいえば「読んでも読んでも読んだ気がしない」ということで、また言葉を変えるならば「詩の読みかたがわからない」。詩に関するおもうところはさまざまないいかたができるのだけれども、ひとまずぼくにとって…

なぜ人文学的問題を自然科学として扱えるのか--郡司ペキオ幸夫『生命、微動だにせず 人工知能を凌駕する生命』

「究極的にはいつか死んでしまうわたしたち」を考えるのは、元も子もないように思えるかもしれない。 だが、生や死といったある種の境界条件をものりこえた先で、なおも思考を続けようとする意志を持ったぼくらだからこそ、あらたに想起…

テクノロジーは組織の運営体制を抜本的に変えるか–「監視」を軸に現代社会を議論する『私たちが、すすんで監視し、監視される、この世界について リキッド・サーベイランスをめぐる7章』

無言か声高にか、意識的にか偶然にか、意図的か過失によるものかはともかくとして、監視される側の監視業務に対する多大な協力によって、彼らの「プロファイリング」が促されていますが、私はそれを「見られることへの愛」だとは思いませ…

偏在する悪意への対抗として「文学」ができること–19世紀アメリカを舞台に黒人奴隷の逃亡を描く『地下鉄道』

そしてアメリカも。アメリカこそが、もっともおおきな幻想である。白人種の者たちは信じている--この土地を手に入れることが彼らの権利だと、心の底から信じているのだ。インディアンを殺すことが。戦争を起こすことが。その兄弟を奴隷…

自分の”困りごと”の解決が社会の役に立つ。市民が課題解決の担い手となる『シビックテックイノベーション』書評

「課題先進国・日本」。環境問題、経済の低迷、地方の衰退など、急激な人口減少をはじめとする問題が山積する日本の状況に対して、そう表現されるようになって十年近い年月が経った。 人口減少による財政難により「小さな政府」にならざ…